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就労支援や現物支給を推奨する渡辺美樹氏の生活保護案は都合の良いことだけ言うのか?

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生活保護受給者が過去最高を更新!」といったニュースがたまに出ますね。そういうニュースを見て、国民のほとんどはどちらかというと、怒りや嫌悪感を感じているのではないでしょうか?生活保護を受けている人を好ましく思わない人が多く、それが増えると嫌なのでしょうか?ただ、生活保護が増えることはおかしいことでしょうか?増えた人たちが不正受給なら怒るのも分かるんだけど、普通に考えたら彼らの大半は正規受給ですよね。不正受給は件数ベースだと、2%未満らしいので。そして、大切なのはここからです。現在の日本の生活保護の捕捉率(受給資格を持っているもののうち、実際に受給をしている人の割合)は、たったの2割弱と言われています。つまり、生活保護基準以下、憲法が保障する最低限の生活以下の生活水準を実際に強いられている人が8割いるってことですよ。この状況で、普通に考えたら生活保護受給者が増えるのは、望ましいことではないでしょうか?人として最低限の生活すらできていなかった人が、それができるようになっているんですからね。

 

あと、生活保護の問題についていうと、自治体の就労支援の問題があります。就労支援と呼ばれているけど、その実質は生活保護からの追い出しなんじゃないのか?と思います。例えば、2年前に渡辺美樹氏がブログ(生活保護について|渡邉美樹オフィシャルブログ 夢に日付を!(ワタミグループ創業者) Powered by Ameba)で以下の文章を書いています。

 

>日本の生活保護者は現在206万人。
15年前の約3倍。
その費用は、年間3.4兆円。
生活保護を考える。

弱い者は当然守られねばならない。
強い者が弱い者を守るのは当たり前。
元気な者が病気の者を支えるのは当たり前。
若者がお年寄りを支えるのも当たり前。
その当たり前を前提に考えた上で、
生活保護を現金でなく、現物でできないかと考える。
住むところ、3度の食事、衣服、
生きる上の基本的なもの、衣食住を提供し、生活をしてもらう。
もし、それが出来れば、3.4兆円もかからない。
余ったお金を本気で職業訓練・指導・就職の斡旋、働く場探しをする。
結果として生活保護者は減る。

このまま、今までの現金給付のみでは、生活保護者は増える一方になりかねない。それは保護を受ける人にとっても、税金を払う国民にとっても幸せなことではない。

 

凄い良いこと言っているように思えるかもしれないけど、私はこの考えには賛同できない。というのも、冒頭で話したように生活保護受給者を減らすことが望ましいこととは思えないからだ。生活保護受給者を減らすということは、現在受給している人を生活保護から脱却させ、新規の受給者を抑制するという2つの意味を持つと思います。生活保護からの脱却については、まともな就労ができるのならば、それはそれで構わないのだけど、実際はそうなっていないと思うのです。生活保護を受けていない人が現実的にブラックな働き方を強いられている現状があると、新規に働く人たち、過去に生活保護受給の経歴があり、かつ空白期間がある人たちがホワイトな職にありつけるのか?というと、そうは思えないのです。生活保護から脱却して、自分で仕事をしてお金を稼いでいくのが1番望ましいのは同感かもしれないが、それができるための確かな環境が整っていないだろうと。つまり、就労支援をするためには、今の日本の就職先の状態が全体的に健全である必要がある。誰だって、ブラック企業や違法労働を平気で行う企業で働かされる謂れはないのだから。サービス残業レベルであれば、違法労働をさせている企業は五万とあると思う。つまり、仮に生活保護受給者が就職できたとしても、ある程度の確率で、働く意欲を削ぐような労働者を裏切る企業にぶち当たることになる。

 

実際に自治体は生活保護受給者に対して就労支援をやっているし、この渡辺氏も多様な方法で就業を斡旋して、職に就かせるという道を示しているが、現時点でそれをやるべきではないと思うのです。最終的にはそれをすべきだけど、その前にもっとやることがあるだろう。この人も今や議員なんだから。つまり、具体的な職を紹介したりして、就労を斡旋するなんてことは、国として整えるべき労働環境を用意した後であるはずなのだ。それをする前に職に就かせて、生活保護から抜け出す手伝いをするというのは、これは就労支援ではない。単に生活保護受給者を何でもいいから職に就かせて、後のことは知ったこっちゃない。勝手にやってくれ。という、非常に無責任な生活保護からの追い出しである。その人が運悪くブラック企業にぶち当たって、再起不能にでもなったらどうするんだろうか?この人の企業でそういう人生を送っている人がいると思うが、生活保護受給者の就労支援をして受給者を減らすどころか、今ブラック企業で働いている人も会社を辞めて生活保護を受けて生活させる。そっちの方がむしろ健全に思えてくる。渡辺氏の言い分だと、ブラック企業で、法律を守らない企業で働く労働者がいることが当然であるという前提に聞こえるのです。

 

ブラック企業や違法労働を平気で行う企業が普通に存在している中、就労支援を行うというのは、順番を履き違えている。健全な環境を用意して、初めて就労支援を行うべきなのです。こんな酷い状況で職に就かせて、自治体や国民は受給者が減って万々歳!かもしれないけど、はっきり言って、それって受給者がその後どうなっても知らない。っていう、非常に無責任な考えだと思うんですよ。とりあえず受給者を職に就かせて、生活保護の数を減らせればそれでおkという魂胆がバレバレなのだ。湯浅誠氏が言っていたのだが、就労支援って、受給者のことを考えて、彼らの生活水準向上のため、長期的な自立のためにやるものでしょう?しかし、今の自治体の生活保護からの脱却を狙った就労支援は、彼らのためにならない可能性が大いにある。むしろ、自治体は生活保護の費用が減って財政状況が改善するが、元受給者は逆に職に就いたせいで苦しんでいるという、一体誰のための就労支援なのか?と思えてしまう構図が出来上がってしまう可能性すらあるのです。就労支援は受給者のためじゃない。自治体の財政健全化のために行われる。これは一体誰のための支援なのか?生活保護の受給を辞めて仕事に就いた結果、彼らの生活水準が下がるとしたら、支援じゃなくて追い出しになるわけですよ。

  

そして、渡辺氏は生活保護の受給者減らしの策として、現物支給を提案していますね。現物支給について書くと、生活保護が現物支給で良いならば、年金も失業保険も、社会的給付は全て現物支給にしたらどうですか?生活保護の給付を現物支給にして受給者が困らないならば、年金受給者や失業保険受給者だって困らないはずでしょう。社会的給付にかかる費用が減った方が良いってこの人が言うならば、それ以外も同じようにすればさらに減りますよ。その主張を呑むならば渡辺氏の言う現物支給案も一理あるかもしれないです。でも、この人を含めてみんな反対するでしょうね。生活保護は基本的に受給しない人間の方が圧倒的に多いから所詮は他人事だけど、特に年金はみんなに関係あるからね。それが金銭じゃなくて現物支給だなんて、賛成できる人間はまずいない。じゃあ、生活保護も実際に受給する人間は賛成なんかしない。同じことなんですよ。

 

現物支給を実現させても、何もかもを全て一律に配給することで、受給者全員の生活がちゃんと保障されるわけないのだから、結局個別に絶対に用意しないといけないモノを取り寄せるために、現物支給のコストにさらにプラスしてかかるコストがかかってしまうことになり、今と大して変わらないのでは?それどころか、余計にコストはかかる気がするのです。受給者一律に配布できるからコストカットできる余地が生まれるものの、受給者一律に配れるものって何ですかね?せいぜい食べ物ですよ。あと、そもそも現金を配らないってことは、彼らは自由に使えるお金がないわけだから、趣味とかに興じることができないわけでしょう?何かほとんど刑務所に近くなってくる気がしますね。食べ物や洋服もみんなと同じですか?違う部分があるとすれば生活の仕方に自由が生まれることくらいですか。刑務所での暮らしにより近づけば近づくほど、犯罪を犯して刑務所に入ることお恐れなくなりますよね。つまり、結果的に犯罪がバレて刑務所に入ったとしても、それまでの生活と大して変わらないならば、彼らにとっては刑務所に入ることのリスクがほとんど存在しなくなることと同義なわけで、それって犯罪を犯しことのデメリットがほとんどなくなることに等しいわけです。だって、犯罪を犯して刑務所に入っても現状維持に近いならば、犯罪がバレなければ、例えば盗んだお金で贅沢な暮らしができる可能性もある。犯罪を犯すことに関してローリスクハイリターンの状態を生んでいるわけ。生活保護受給者の生活を刑務所暮らしに近づけると、犯罪を犯すことの抑止力が働かなくなり、治安が悪くなりやすい恐れがあるのです。

 

渡辺氏は最後に「このまま、今までの現金給付のみでは、生活保護者は増える一方になりかねない。それは保護を受ける人にとっても、税金を払う国民にとっても幸せなことではない。」と締めているけど、これは先ほど言ったように明らかにおかしい。少なくとも保護を受けている人にとってみれば、職に就くことで逆に生活水準が下降したり、心身ともに許容できる範囲を超えて疲弊するという、望ましくない状態が訪れる可能性が普通にありえる。生活保護を受けていた方が圧倒的に、客観的に見て幸せな場合だってあるのだ。税金を払う国民にとって幸せなことではないとか言い出したらね。図書館を日頃から全く利用しない人からしたら、図書館の建設や運営にに税金が使われている光景は幸せなんでしょうか?幸せとは思えません。この理屈だと、自分に関係ない使われ方をしている税金は全部否定できますよ。本は図書館で読まないで自分で買うという方法もある。または有料にしたって良い。渡辺氏が生活保護に関する費用が増大する今の状況から、こういうことを言うのであれば、それ以外の税金の使われ方全てに同じ事を言ってもらわないと説得力がない。なぜ生活保護だけなんだろうか?結局、都合の良いことしか言わないのではないか?と思えてくるのです。

 

間違いだらけの生活保護バッシング―Q&Aでわかる 生活保護の誤解と利用者の実像―

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