巷では救急車を有料化すべきか?という議論で賛成か?反対か?いろいろな意見があるみたいですが、そもそも有料化をしてもそんなに意味があるのか?とも思えてきます。有料化という意見が出た背景には、救急車を呼ぶ必要性が客観的にないにもかかわらず呼ぶ人がいるから、もっと重篤な人のために救急車が出動するのが遅れてしまう、到着が遅れてしまうというものがあると思うのです。そこで有料化で呼ぶのに圧力をかけようとするわけですが、結局これって有料化しても後払いですよね?救急車に乗せる段階で先にお金を払ってもらうわけじゃないですよね?しかも、救急車の有料化に賛成している人も金額としては100円とか、50円とか、高くて1000円とかが多いですね。このくらいの金額で果たして圧力になるのか?というのも疑問です。本当に減るんですかね?減ったとしても、その中に客観的に救急車を呼ぶ必要があるような人が救急車を呼ばない、呼べないケースも出てきたら、結局本末転倒ですし。
私自身は賛成でも、反対でもないです。というのも、見方によってどちらにでも転べるから。すでに示したように、呼ぶ必要がある重篤な患者が呼ばない、呼べないケースが出てくることを考慮すると、救急車を有料化して、救える命が増えるとともに、救えない命も増えるので意味がないと考え、この立場からは救急車の有料化には反対の立場になります。しかし、ある見方をとると、救急車の有料化も賛成になります。それは徴収したお金の使い道です。有料化して何に使うのか?これ次第では賛成になるかもしれません。というのも、救急車の出動には実は1回あたり4万円の費用が使われています。これは税金です。生活保護に対する風当たりが強い日本だが、こっちに関してはあまり非難を言う人は少ないですよね。本当に変な話だと思いますけど。生活保護を受けるべき人たちのうち、実際に受給している人の割合は約20%となっています。つまり、残りの8割の人は生活保護基準以下で生活をしている。物凄い貧しい暮らしをしているということです。生活保護も救急車も、いざというときに人々を助けるセーフティネットです。
生活保護の現状を救急車に当てはめたらどうなるでしょうか?救急車を呼んだが、ちゃんと到着してくれる可能性は20%ってことになります。残り8割は物凄く遅く到着するか、そもそもずっと待っているのに着てくれないか?というケースです。これは大問題だと思うんですよね。でも、生活保護の捕捉率2割っていう方は問題視している人はほとんどいない。そもそも、この数字を知らない人も多いかもしれないが。政治家だって、生活保護の申請に圧力をかける政策を実施したり、金額を削減したり、明らかに生活保護というセーフティネットを蔑視している印象があります。それは国民の多くも同じかもしれません。その理由は簡単です。生活保護なんて、政治家や多数の国民にとって一生縁の無いものだから。でも、救急車はいずれ縁がある可能性が高いと思っている。だから、救急車がちゃんと到着してくれる確率が2割だったら、恐らく社会問題になっていると思うけど、生活保護の捕捉率2割については問題視する人間が少ないわけですよ。先月かな?別府市で生活保護受給者のパチンコ監視の案が物議を醸したが、その件に関して、別府市の市長が以下のようなことを言っていました。
「ギャンブルは最低限度の文化的生活を送るために必要なのだろうか。市民感情、国民感情に照らし合わせても、理解を得られない」
これは「税金の“フリーライダー”? 差別を助長!? 別府市が「生活保護受給者」のギャンブルに介入|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS」から引用したものだが、正直言って、呆れてしまったんだが。市民感情や国民感情に照らすって・・・生活保護に全く縁がないような人たちの意見が、本当に社会保障としての真っ当な意見を表明しているとでも思っているのか?彼らの理解なんて得ようとしていたら、生活保護のような大半にとって関係のないセーフティネットは全部なくなりますよ?それが正しいんですかね?そう、救急車はなくならないんですよ。そりゃ救急車は大半にとって関係があるからです。だから、救急車は仮に暴飲暴食を繰り返して、容態がヤバイというような、明らかな自己責任と思えるような状況でも、周りにいる人たちは気付いたら救急車呼びますよね?生活保護だったら、全財産をギャンブルで使い果たしたみたいな自己責任とも思える理由で申請をしてくるような人を非難する人は多いと思うんですよ。生活保護は自分たちには関係ないから、自己責任を押し付けるが、救急車は自己責任とも思えるような状況で呼んではいけないとなると、自分も困る可能性があるから、自己責任であっても、1回4万円を使って良いと周りが判断するんでしょう。
大分、話がそれた気がしますけど、結局、救急車の有料化に私が賛成できるとしたら、その徴収したお金を生活保護などの別にセーフティネットの財源に充てるようなケースのみです。救急車は基本的に現在は捕捉率10割に近いと思いますが、生活保護は2割なんですよ。救急車の有料化にはメリットもあるし、デメリットもある。どっちが良いか?は分からない。しかし、本来セーフティネットにお金がかかるっていうのは、意味が分からないんですよね。最後の砦になるからこそセーフティネットなのに、お金がかかって中には利用できない人が出てくるっていうのは、結局生活保護と同じ道を歩みそうな気がします。生活保護の方は大問題だが、救急車を有料化すると、同じような小さな問題が出てきそうな気がします。だから、救急車の有料化をするのであれば、容態とその容態になった理由を聞いて、明らかにその人の自業自得だと判断できるような場合ならば、救急車は出動しない。不慮の事故とか、そういうケースだけ出動するとか、そういう使い分けならばまだ余裕で賛成できるかもしれません。つまり、そういう救急車のシステムになれば、無理な生き方、身体に負担のかかる生き方をする人が減るでしょう。救急車の出動にかかる税金や医療費が削減できます。自分のせいで救急車を呼ばないといけないとなったときに、来てくれないとしたらそういう状況を招かないように生きる人が増えると思うんですよね。生活保護に自己責任を押し付けるならば、救急車にも自己責任を押し付けて良いと思うんですけど。何でもかんでも自己責任という世の中かは、個人的には嫌ですが、現状生活保護はそういう風潮になってしまっている気がします。今のセーフティネットは生活保護と救急車でも大分格差があるような状況なので、これ自体なんとかしてほしいと思っていますよ。

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