私は就職活動とかで志望動機を聞く意味はあまりないと思っているし、どういう動機の人間であっても、ちゃんと仕事をしてくれれば良いと思っている。そんなことをめぐって対立があるコンビニであったようなのだが、それが「「金目的の従業員はいらない」コンビニ店長の発言が物議 でもその言い分もまんざらウソとも言い切れない? | キャリコネニュース」に載っていた。
人不足のコンビニでバイトをする男性が、9月23日に投稿したツイートが話題になっている。求人への応募がないことから、 店長に対し「時給上げたらどうでしょうか?このままでは人員不足が懸念されます」と提案。すると店長は、こう切り捨てたという。 「金目的の従業員とかいらないわ」
ネット反発「金目的じゃない従業員なんているのか?」
「お金目当ての従業員はいらない」 「お金目当ての従業員はいらない」 店長は時給引き上げを提案する男性に「金目的の従業員欲しいと思う?」と尋ね、「目的はどうあれ仕事さえすればそれでいいかと」と答えた男性を、上記のように諌めた。
しかしコンビニの数は、いまや都内だけでも7,000軒を超えるといわれる。どこの店も同じような仕事であり、その中から選ばれるためには他店より高い時給を提示するしかないだろう。ネットには、店長の発言に反感を示すコメントが多く見られる。
「バイトに時給以外のなにを求めているんだ」
「金目的じゃない従業員なんているのか?」
店長だって同じ仕事でより高い給与の店があれば、そちらに転職するのではないかという疑念もある。「店長は何の為に働いているのか謎ですね…」「じゃあ店長の時給全部下さいね~ってなる」などと首を傾げる声もあった。
その一方で、この店長の言うように「金目的の従業員」には重大な欠点があると指摘する研究結果もある。自分が面白いと感じていることでも、お金稼ぎが目的になると楽しめなくなり、自発的なやる気が低下することが脳活動の変化として裏付けられているというのだ。
金銭的な報酬が「楽しい」感情を減退させる場合もある?
この研究は、玉川大の松元健二准教授やドイツ・ミュンヘン大の村山航研究員の研究によるもの。実験では「楽しい」「好き」といった内発的動機付けで行っていた人たちに、金銭的な報酬を与えると、これが外発的動機付けとなり「楽しい」「好き」という感情が減少した。 研究ではこれを「アンダーマイニング効果」と呼んでいる。この理論は教育現場などでも用いられ、例えば自分の興味関心で調べ物をしている子供を褒めるつもりで親が小遣いを与えると、子供は小遣いをくれなければ勉強しない子供になってしまうとされる。 やる気や能力があっても金銭的な報酬目当てで働く従業員は、やがてやる気を失っていく――。もしそうだとすれば、経営者や管理職の立場にある人間が「金目当ての従業員はいらない」という考えを持つことはおかしいことではない。金銭的報酬よりも会社のビジョンに共感し、やりがいを感じて働く従業員を好むだろう。
ただし前述の論文にはアンダーマイニング効果について、その行為に内発的動機付けを抱いているときにのみ起こると書かれている。つまり「嫌いなこと」や「興味のないこと」であれば、お金目的であってもモチベーションは下がらないのだ。多くのアルバイト従業員にとって、仕事とはどちらに当てはまるのだろうか。
私はこの店長をいさめる店員に同感だ。「目的はどうあれ仕事をすればそれで良い」という考えには完全に同感で、以前私は公務員試験の面接における志望動機について論じたことがあり、私は世間一般ではタブー視されている「安定」を理由に公務員になりたいとする人間の合理性を説いたことがあります。なぜ「安定」の志望動機は良いのか?というと、単純に仕事に対するモチベーションになるからでしょう。公務員が民間企業の従業員に比べて相対的に安定していると言えると思うのだが、それって基本的に公務員を続けている限り永遠に続くはず。今のところはそう見える。しかし、よくある本に書かれているのは「〇〇な仕事がしたいから公務員を目指しました」的なもので、こういう志望動機を推奨しているケースがよくあるように見える。しかしながら、特定の仕事がしたいという動機で公務員になっている人間が真面目に仕事をするだろうか?というと疑問だ。なぜなら、特定の仕事を任される保証もなければ、任されたとしても、それは一過性のものであって、公務員として働く大半の時間は興味がない分野の仕事になってしまう。公務員として働く大半の時間において、公務員になる理由を満たせないような人が真面目に働くのか?というと、酷く疑問に思うし、実際民間企業でも入ってみたら仕事内容が思っていたのと違ったとか、正社員なのにバイトと同じようなことしかやらないとか、そういう任される仕事内容についての不満で辞めている人がいると聞くから尚更だ。
だから、世間的に非難の対象になりやすい志望動機であっても、結果的に仕事を真面目にやるのはこっちじゃないの?と思うわけです。そして、私は仕事を真面目にやりさえすれば、どんな志望動機だって構わないと思っている。本文に書かれている研究結果については、個人的には仕事にそのまま当てはめるのは意味がないと思っている。例えば、例として挙げられている勉強をしている子供にお小遣いを挙げ続けると、お小遣いを貰わないと勉強しなくなるとあるが、仕事っていうのはそもそも給料が付き物だから、全く別個の例だと思うのだが。この例で言うと、一定の金額を貰っている従業員の給料を減らすと、真面目に仕事をしなくなる。ということが言えると思うんだけど、それは給料の額が多い、少ないは関係ないですよね。貰っている給料が多い、少ないどっちでも、今貰っている給料から下がれば絶対にやる気は下がりますよ。つまり、募集時点でのコンビニの時給を高くするか?どうかは関係ない。それにコンビニのバイトで給料が貰えなくなるとか、給料が下がるっていうのはそうあるものじゃないし、給料が下がった結果モチベーションが下がるというのは分かるが、お小遣いがもらえなくなると子どもが勉強しなくなるという例を出しているってことは、モチベーションの現象は金銭的報酬の現象が先にあるって話になるけど、仕事においてはやる気を失って仕事を真面目にやらなくなるから給料が下がるというのはあっても、真面目にやっていながら給料が下がるはまずありえない。基本的に仕事においては給料が先に下がるとなると、その人はすでにモチベーションを失っているということになり、金銭的動機付けとはもはや関係ないところがモチベーションの低下になっているということになる。
つまり、給料の低下以前にモチベーションが低下しているのだから、この研究とはもはや関係ない話になってくる。それに労働者は基本的にクビになると、生活が危ぶまれる可能性もあるし、お小遣いがただ貰えなくなる子どもの場合とは全然違うだろう。危機感が違うっていうのかな?それにこれは私の場合だけど、たくさんの給料が貰える仕事ほど、他者と比べて優越感が得られるから、余計に仕事を頑張ると思うんですけどね。稼げると思った仕事ほどやる気を出していくっていうのが、他にもそういう人もいると思うのだが。それに本文の最後には嫌いなこと、興味のないことの場合にはモチベーションの低下は招かないとされていることから、金目的で働くという前提ならば、それはこの2つの条件を満たしていると言って良いと思うし、結局この研究は関係ないのではないか?金目的で人を雇ってもその人が真面目に働かないとは言えないのではないか?と思うわけですね。

私たちはなんのために働くのか 「働く意味」と自分らしい働き方を考える
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