漫画が原作となって実写映画化される例が多いが、その理由はちゃんと合理性があるという。それを解説しているのが「「漫画の実写映画化」が多いカラクリに怒りの声 | ニコニコニュース」の記事になるのだが、ここに書かれていることに置くのファンは怒っているという。
>まず1つめの理由は「やっぱり儲かる」から。2015年に公開された邦画は581本。そのうち実写化の作品は32本を占める。さらに興行収入10億円を超えた作品の数は、実写化作品のうち13本で約40%という高打率を誇る。その他の作品と比べるとその差は歴然で、興行収入10億円超の作品は549本中25本しかなく、約4%にすぎない。知名度がある作品の実写化は話題になりやすく、どんな批判や低評価であっても、「自分の目で確かめたい」というファンが映画館に足を運ぶため、結果として興行収入が上がるとのこと。つまり「儲かる」確率が高いというわけだ。
2つめの理由は「原作使用料が安い」から。たとえば映画『テルマエ・ロマエ』の作者へ支払われた使用料は、興行収入58億円に対し100万円。映画『海猿』は興行収入70億円に対し、作者への使用料は250万円だったという。 さらに島田氏は、「オリジナルで作って、最初から一からやりましょうといっても時間もかかるし、どうするんだという話も長引くし、じゃあそれがヒットするかっていう保証もない。となったら、やっぱり成功の可能性が高いところにいく」と解説した。
この説明に、Twitterでは「なるほど」と納得する声があがる一方で、原作者への使用料が少ないことに憤る声が続出。 「漫画の実写化はもうなんでもござれだけど作者がいい顔しないやり方はいくら制作側が儲かってもダメだと思うの。還元せぇ還元!」 「漫画の実写化の件、価値ないっていうのは言いすぎだけど原作に支払われるものが安いのは日本本当に見直した方がいい。
真面目な話オタクや漫画アニメファンがこんなにいるのにアニメーターもそうだけどそれを創り出すのにどれだけ生きてる時間を費やしてるかと。対価が全然見合ってないから」(原文ママ) などと、「実写化作品の出来に対する賛否」議論はさておき、せめて利益が原作者へ還元されることを願うファンは多いようだ。
ファンが怒っている1番の理由は原作者に対する還元率の部分なんでしょう。ただ、私は怒る理由が全く分からない。基本的には当事者の契約の問題なので、第3者が口を出す性質のものともあまり思えないが、原作が実写映画化される際には、権利使用料が仮に安くても、原作者にはメリットしかない。したがって、契約を断るケースはそんなに多くないのではないか?と思う。
むしろ映画化が失敗しても作者にリスクが無いうえに、原作のデカイ宣伝になる。何度でも言うけどマンガの実写化はファンのためじゃない、作者含め儲けのための談合。
— 幸平 (@mossann1981) 2016年11月21日
「漫画の実写映画化」が多いカラクリに怒りの声 https://t.co/try8y2lqmw #niconews
上記のツイートにもあるように、実写映画化の成功失敗は原作者にとってリスクがない。成功したら、制作側の手柄だが、失敗した場合には制作側が下手だったと批判されて終わりだ。基本的に原作者にリスクはない。それどころか、原作者は使用料をもらえて、かつ実写映画化による宣伝を行ってもらえて、原作や関連商品が益々売れやすくなるという効果を持つという。そこを含めてトータルで考えると、使用料が安いという金額でもぜんぜん割りに合っていると見ている人も、このニュースに対してつぶやいている人の中にはいるみたいだがね。
さらに言うと、この原作使用料って安いですか?私は全然安くないと思う。安いか?安くないか?というのは単純に感覚の問題だから、議論してもしょうがないけど、私の感覚だと全然安くないと思う。それは宣伝効果を含んでということではない。58億円の興行収入に対して、原作者がもらえる100万円というこの金額そのものを見ても安いとは思わない。でも、その金額が仮にものすごい安いとしたら、その金額で契約にこぎつけた人間は無茶苦茶有能なビジネスマンって話になるだけだがね。58億円に対して100万円しか貰えないと聞くと、すごい安く感じるかもしれないが、本当にそうだろうか?だって、映画1作作るのに、それだけの人がかかわっているのよ?興行収入がどういう人たちに、どういう割合で分配されているのか?は分からないが、映画1つ作るのにかかわっている人間はかなり多いと思うんですよね。で、恐らくだけど映画制作のために働いている人間の中に、報酬として1人で100万円以上貰える人間なんかほぼいないと思うんですよ。原作者は使用料として100万円貰っているということならば、直接労働として提供している部分ない。つまり、首を縦に振るだけで100万円もらえているわけで、かなり効率のいい仕事だと言える。それ以外の映画制作のスタッフはいわゆるサラリーマンのように多大なる労働を提供して、もらえる報酬も100万円に届くわけがないだろうと思うので、私の感覚からすると原作者に支払われる100万円が安いというのはあまり共感できないのだ。
さらに宣伝効果として作者の関連商品の売り上げが上がるならば、さらにメリットは大きいわけだ。先ほどもちらっと言ったけど、基本的にこういった実写映画化というのは、作者にとってはノーリスクミドルリターンくらいだと思います。作者にとって名誉にかかわる部分のリスクもなければ、出費もないし、新たに負担する労働も少ないだろうと。そうなると、こういう話って断る理由がそれだけ乏しいわけですよ。いくら原作者本人にとって使用量が安いなーと感じたとしても、それを断れば使用料や宣伝効果のメリットは丸々消えてしまうわけ。でも、承諾したことで実利にかかわるデメリットもほとんどないとなれば、不満を持ちつつもメリットを優先して契約しない理由がないわけだ。だからこそ、結果的に漫画を原作と刷る実写のドラマや映画がこれだけ増えているんでしょう。つまり、作者にとってみれば断るという選択肢もあるが、不満があったとしてもメリットの方が大きい話を持って来てくれるだけでありがたいわけ。そういう話がなければ、今まで言ったようなメリットは得られる可能性は0だが、そういう話を持って来てくれればこういうメリットを得られるチャンスが生まれる。嫌ならば断れば良いというだけであって、実写映画化の話を持って来てくれること自体は百利あって一害なしの状況じゃないか?と思う。
そうなると、私だったら使用料が安いと感じたとしても、そこに文句は言えませんよ。これは2つの理由がありますね。漫画が原作のものが流行っている理由が使用料が安いことならば、使用料に不満を言うと契約がおじゃんになる可能性もある。そうなると、みすみすチャンスを逃すことになるからもったいないと。実写映画化の話がなしになるくらいならば、使用料が安い方が全然マシなわけだ。もう1つの理由は、先ほども言ったように原作者にとって百利あって一害なしの話は、持って来てくれるだけでありがたいのだから、その話を持って来てくれた相手に対して、さらに不満を言うっていうのは、喉が渇いたから何か飲ませてくれませんか?ってお願いしたして、相手が水を出してくれたのに、ジュースが良いんですけど?って言ってしまうみたいな感じで、すごいずうずうしいような感覚になってしまう。私がその立場ならば、使用料としてもっと欲しいと思ったとしても、とても不満は言えませんよ。という話なのです。こういった部分が理由で、私は原作者への利用料の問題はそんなに問題とも思えないし、別に安いとは個人的には思えないということなのです。
最後に1つ付け加えておくと、こういった漫画の実写映画化というのもビジネスの枠組みで行われているならば、使用料を安く抑えるというのは、コストを抑えるわけだから、どの会社もやっている当たり前のことでしかないのです。商売哲学の問題は別にあるが、ビジネスの中で行われているならば、コストを抑えてリターンを増やすというのは、ある意味誰もが目指している部分であり、そこを否定してしまうと、そういったコンテンツ自体が生まれなくなってしまう。それこそ原作者もアシスタントを安く雇っているかもしれないし、彼らにももっと還元しろ言えば、今ある漫画作品自体も一部は存在しなかったかもしれないのです。
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