最低賃金を引き上げるべきだとする議論は以前からずっとあるわけだが、政府は最低でも1000円以上にすべきという見解を見せている。一方、別の団体は1500円以上にすべきという声をあげています。それがニュースでも紹介されていて、ホリエモンが笑っているわけだが、個人的には、最低賃金は法的規制を施すなら別だが、企業に任せている現状は上がるどころか、下がる一方だと思う。1000円や1500円が高いとか、安いとか言うつもりはないが、現状の最低賃金が精一杯どころか、今後はさらに下がるだろうと思う。それはホリエモンも指摘しているのだが、結局、ロボットが人間の代わりをするだろうということです。すでにPepperだっけ?人間型ロボットが試験的に導入されていて、そのロボットが時給1500円だそうだ。今は恐らく借りている状態なのかもしれないが、それらが本格的に人間の代わりに働き出せれば、ロボットの製造体制、供給体制も今よりがっちりしてくるでしょう。
すると、完全に人間を使うよりもコストパフォーマンスがよくなる時代がくるだろう。つまり、人間の労働力っていうのは、天井が見えている状態だから。仮に賃金を上げたところで、生産力が上がるわけではない。つまり、企業にとって何のメリットもない。そうなると、最低賃金を上げろと言われて、法的規制などを仮にかけたとしても、人間が結局雇われなくなるだけだと思うんですよね。正社員は簡単にクビにできない!→じゃあ、非正規雇うわ→非正規の待遇を改善しろ!→じゃあ、ロボット使うわ。という流れになりそう。つまり、給料を上げようとすればするだけ、職がなくなる状態になると。ホリエモンもTwitterでそのことにつぶやいていて、「堀江貴文氏が最低賃金の引き上げを求める若者のデモを笑う - ライブドアニュース」のニュースにも書いてあるのだが、そんなデモなんかしても、いずれロボットに取って変わられる。そういう意味をこめて嘲笑している感じですね。
>同記事は、大学生や20~30代の非正規労働者らが結成したグループ「AEQUITAS」が、東京都内で500人規模のデモを実施したことを伝えている。デモの目的は、政府が現在掲げる最低賃金である時給1000円を1500円に引き上げ、生活苦を解消することにあるという。今後各都市で同様のデモが行われる予定だ。
堀江氏は、この記事に対して「笑」とつけたあと、「そしてロボットが職を奪っていくよ」と、ロボットが人件費の上がった労働者に替わる未来を予測している。
つまり、近い将来ロボットの労働分野への参入は恐らく避けられない。そのときにあえて人間を使わないといけない理由は何か?っていうと、ロボット以上の価値がある場合です。それはロボットには出来ないような分野の仕事をやってくれる人間もいれば、ロボット以下のコストで働いてくれる人間という見方もできます。ロボットにはこなせないような仕事は依然として人間がやることになるが、そうじゃない分野、ただの単純作業とも思えるような分野の仕事は、どんどんロボットに変わるはず。寿司職人とかが消えて、ロボットが寿司を握っている時代が来ようとしている。つまり、そういう単純作業の分野はロボットにかかるコスト以下で働いてくれるくらいしか、人間を雇うメリットがなくなってくるということ。スーパーのレジとか、ファミレスの店員とか、そのうち人間はいなくなるんじゃないかな?ロボットにどれだけのコストがかかるのか?はちょっと分からないが、ロボットは故障しない限りは365日24時間働ける。人間みたいに継続的な給料はいらない。初期費用とメンテナンス費くらいでしょう。
そうなると、人間をあえて雇うメリットが生まれるときの給料っていくらなんだろうか?となる。物凄い安い金額になりそうだが。やっぱり継続的にまとまったコストがかかるっていうのが痛いのでしょう。人件費っていうのは、以前からいろいろな分野で削減されてきているから。だから、先ほどもすでに言ったが、彼らが最低賃金の値上げを求めて、仮にそれが実現したら、職自体がなくなるってことになりかねない。つまり、ロボットに負けないようなスキルを身につけるか?現状の金額で我慢して働くか?その他非合法な手段に出るか?しか選べないだろう。賃上げを要求した結果、自分の職がなくなれば、本末転倒と言わざるを得ない。ホリエモンの言い方だと、まるで他人事のようにバカにしているような感じも受けなくはないが、彼はベーシックインカムの実現に賛成をしているから、別に彼らを見捨てているわけではないはず。そんなことをしても、ロボットに取って代わられるだけで、何の解決にもならない。だから、生活苦の解消には、現在の働き方を1つ肯定したうえで、再分配政策によって是正していくのが建設的だという意見なんじゃないだろうか?私はそれは正しいと思う。
ベーシックインカム配るくらいなら、教育にお金を使ってほしいとか言う人もいるんだけど、教育にお金を使って何の解決になるんだろうか?結局、一定以上の所得を得られる人数は枠が決まっている状態で、その枠の中に誰が入るか?の違いでしかない。その枠は今後さらに狭まっていきそうだが。そうなれば、教育が足りないから、教育へのお金が払えないから、不遇を味わっている人が、教育資金の援助によって、まともな職に就けたとしても、その人が入れば、誰かが零れ落ちるのだから、結局起きていることは変わらない。国民全体の貧困具合は全く変わらない。仮に今までが教育が足りない人間が貧乏人だったとして、その人にお金を与えて教育を施しても、教育に不足のない貧乏人がただ増えるだけだろうと。何の解決にもならないからこそ、彼らの生活苦の解消、貧困の解消には、そういう人たちへのばら撒きしかないのです。ばら撒きっていうと凄い印象悪いかもしれないけど、お金を必要としている人に配ることは、それだけ間違いなく使ってくれるはずだから経済が好循環しやすい。生活保護とかでも言われていますよね。受給者は貰ったお金をほとんど全部使ってくれるから、経済面から見たら好都合で、もっと生活保護をどんどん配ったら良いと主張する人もいます。生活苦に喘ぐ人たちが文句を言うのは当然だと思うが、やり方は間違っている気がするのです。最低賃金を上げるやり方では解決しないと思います。

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